投稿時食べログ口コミ件数:43件
怪しげな雑居ビルの階段を二階に上ると、昭和の刑事ドラマのアジトのような空間にその(食べログ4点越え)店はあった!
正面入り口の左側にプレートらしきものが…
山猫軒のプレート。その下に何か書いてある。文字は薄暗くて殆ど解読不可能?も、何とか頑張って読み切る(笑)
年季の入った怪しげな雑居ビル。普通ならここで店やろうとは思わない筈。それだけでも、相当に個性的な店主がやっている店だと推測できる…
階段が急なので酔っ払った帰りは気を付けたい(笑)
入口です(笑)ひらがなで、「やまねこけん」
正直、過去、食べログ4点越えの店で良かったためしがないので(笑)、複雑な気持ちと、でも物凄い期待している自分もいたりで… このエントランスを見て、さらに、僕の期待もふくらむ。
※写真、ピンボケ多いです。スマホカメラ設定ミスしました。ごめんなさい。
料理はお値打ちなサンキューセットなるものでした。グルメな親友が誘ってくれました。
料理3900円にお酒お任せ2900?の合計、7000円ちょっとのコースになります。
店内はコの字型のカウンターのみ。厨房内、目の前にはバカでかい業務用冷蔵庫が数台並ぶ。グラスを並べる棚なんかはべニア板だったりで、DIYで自分達で仕上げた内装だと分かる。
おしゃれなデートでは使えませんのであしからず(笑)
山猫軒の食に対するこだわりが書いてある。配膳が始まるまでの空いた時間に読んでみる。こういったアプローチの仕方はグッドアイデアだ。
1、見蘭牛のコンソメスープ
野菜等一切使わずアクセントは
イタリアンパセリの軸のみ
それでこの旨み
見蘭牛の凄みを感じます
なによりまず、器に驚く(笑)。凄い。若い男性スタッフが人数分のマグカップを並べ、次から次へとついでいった。けっこうこぼしていたが、まさか、そのまま出すのではと?当たってしまった。濡れたカップの下は拭いてもらいたい。
香りを楽しんだあとに、ゆっくりと飲んでみる。
なるほど、変なものが入っていない味だ。 これ一杯でここの店の方向性が把握できるかも。
超薄味、素材勝負、極力料理しない、手を加えない等…
どちらかと言うと自分は、素材も大切だが、それ以上にシェフの手によって、料理して欲しくて、その変化を楽しみたい方。自分では決して出来ない味、そういったマジック?(笑)にお金を払いたいタイプなので、このスープの段階で自分には合わないタイプのお店かなと感じました。
大将が、「ほとんど水です」と言って出した最初の一杯。
確かに、味が全くのっていない泡。水みたいだな、と言おうとしたが、先に大将に言われてしまったので、何も語れず(笑)
ごめんなさい。その辺の泡、例えばイタリアのマルティニの方がはるかに美味い(笑)
糞暑い名古屋の7月の夜、ウェルカムドリンクにチョイスした理由はよくわかります。ですが、一発目としては弱くないかい? 自分なら一杯目は何がいいかと考えてみた… 氷たっぷり炭酸水(ペリエではなくてウィルキンソン)にフレッシュライムの塊りどーんとか(笑)
2、パルマの生ハムと台湾マンゴーと
薬ずけで飼育されていない健康な鳥の
桜と炭火のスモークロースト
スモークした手羽先。燻製の優しいくさみが鼻を付く。僕は好きだけど、こっち方向の味が苦手な人も多いだろうな、と思う。
一口かじる。香りほど味が乗っていないと感じた。皮の表面は香ばしく美味しいです。で、薄味。なので、感じたのは一番味が染み込んでいるであろう表面の皮の部位でこの薄味ならば、中の白いところは味が弱いのではないか? で、案の定、中の方は思った通り。まったく味がのっていないので、何かソースに付けて食べたくなった。正直、塩コショウが欲しくなりました。
思うに、この手羽先が大き過ぎる。これだけ大きいとなかなか中まで味が染み込まない。同じ調理法なら、もっと小振りな手羽にして、2本出した方がいいのではないかと。
生ハムは普通です。 盛り付けは、その辺の学食レベルです。この辺の割り切りはほんとうに凄い。
2杯目のイタリア白ワイン、ベネヴェンターノ ファランギーナ 2014
えっ!?
さっきの泡を飲みほしたグラスにいきなり注がれた(笑)。サンキューだからグラスチェンジしないのか?とにかく、ある意味、すごい。僕にはちょっと理解できない。
あっさり白。タンク熟成・醸造のわりには、樽熟成のような香りがほんのりと…とか色々言ってみるけど、間違いなくさっきのスパークリングの炭酸風味が充満してるし(笑)あと、ワインを注ぐ時にけっこうこぼす(笑)ステムを持つとびったびた。こぼしてもいいけど、拭いて欲しい。
1000円ちょっとでしょうけど、非常にコストパフォーマンスのよいワインです。
ただ、味はオーソドックスな白。特にガツンと来ないので、自分なら、燻製したこの手羽には、もっと樽臭い、フレンチオークで数年寝かした鼻がひん曲がる程にくさいシャルドネをチョイスするかも…
この手羽に対して、この白をマリアージュした理由が特に見つからないかなと。
僕なら何だろう?燻製手羽にはスコッチ水割り?(笑)
3、3種のチーズ盛り合わせ
美味しい蜂蜜やフルーツ
トマトやオリーブオイル
天然酵母のパンとともに
チーズ盛合せ。特にブルーチーズ、これはびびった。このブルーチーズは美味い。自分が喰った今までのチーズの中で一番美味いかも(笑)あまり、おいしいチーズ喰ってねえな、と反芻し反省しました。
このプレートだけで、ワイン3杯くらいいける。でも、ワンプレート、ワンドリンクのシステムだから仕方ない。ブルーチーズ半切れだけで、一杯飲んでしまった。ワインがない状態で、残りのチーズを喰う(泣)こういったケースが出てくるのが、このお任せシステムの難しいところかも…
いちじくもむっちゃ美味いです。はちみつも美味い!
今となっては、2900円の酒セットと別で、ボトル一本空けてもよかったかなと思います。
チーズとマリアージュのシャルドネ。都合3杯目。白2発目。
フランスです。
トマト煮込みパスタ。
これ、僕、しょっちゅう作ります。これは自分が作った方が美味い(爆)えらそうにすいません。
パスタ茹でて、フレッシュトマトに火を掛け、形が残っているうちに塩胡椒とオリーブオイルだけで味付けしたやつだと思います。絶対、味の素やコンソメ入れる店じゃないですし(笑)。
で、ここまでは家庭で出来る。そっから先、何かしら手を加えてパンチを出す。そして、うまいっ!と言わすのがレストランではないかなと…
このトマトパスタに関しては、人前に出して金取るレベルではないです。
「リヴェラ、ラーマ・デイ・コルヴィのシャルドネ」
都合4杯目、シャルドネ2発目。白が続く。そろそろ、赤が欲しいし、白が3つ続く意味は分かりません。
上の写真でもそうだけど、ワインこぼして汚したカウンターを拭いてくれない(泣)で、その上に次の皿を置くものだからそこら中がべたべたに…。1人2人でやっている店なら手が回らないかも知れません。ですが、スタッフけっこういましたので…
このシャルドネはむっちゃ美味い! これボトルで一本空けて、つまみはさっきのチーズプレートだけでいいわ、なんて思ったりして(笑)つーか、チーズにはこっちのシャルドネだと、順番逆か?
またまた、えらそうにすいません<m(__)m>
ちょいスパイシーなニュアンスでけっこうべたつく感じ。凝縮感あってやる気のある白です(笑)辛口で非常に美味い白ワインです。ちょい、調べたらフレンチオーク8ヶ月熟成らしいです。なら、いっそうさっきのチーズにはこいつやろ!と。
4、すりつぶしたサマートリュフと目玉焼き
実はトリュフというのは香りだけでなく
いいお出しが出るのですが、そのためには
それなりのボリュームが必要になります。
白や黒トリュフでやりますと、それなりのおねだんに…
で少しお手ごろなサマートリュフをたっぷり使って
宇治田さんの卵で作った目玉焼きにドローっと
ぶっ掛け、おいしいぱんをそえて、、。
トリュフソース、目玉焼き乗せ、パン付き。盛り付けはまるでバル。まんま、スペインのバル、日本ではなくて。
これはびびった。このソースはありえん程、美味い!上質なスイーツ喰ってる感じ。 でも、こんだけ美味いのに盛り付け雑だから、ほんと、不思議な感じ。すごい、違和感。やはり、盛り付け工夫して欲しいし、目玉焼の外周もきれいな円にして欲しい(笑)
トマト煮込みではなく、このソースでパスタ喰いたかったですわ。
5杯目。やっと来た赤のカベルネソーヴィニオン。ですが、カベルネは苦手だからちょっと残念。
こんだけ、美味いトリュフなんだから、そいつに合わすには中庸過ぎるか?
2013年。
5、たっぷりケンラン牛を使った秘密の一皿
これ凄く追い数です。
豆腐、牛肉乗せ。盛り付けがよくないものだから、見た目は食欲をそそらない。
肉を一切れ口に入れる。けっこう歯応えがあって、噛めば噛むほどじわっとくる味。下の豆腐も歯応えあるもんだから、けっこう見た目よりハードな感じ。下の豆腐は逆にソフトな方がいいのかな、なんて思ったり。この豆腐を肉汁だけで喰わすのはちょっと無理があるかも。
6杯目。またカベルネ(泣)
ラベル裏、拭く店ではないです(笑)
さっきのカベルネと全然違うでしょ?とマスター。
ですが、僕にとっとは苦手なカベルネには違いありません。できれば、白(シャルドネ2連発)でもそうでしたが、品種変えて欲しかった。
全部ワイン飲んで感じたのは、いろいろ出してもらったけど、うまく言えませんが、なんとなく大将の好みが分かった(笑)。深みより、飲みやすさ、複雑でなく単調、果実味に富んだ直線的なタイプ?すっきり系。表現が乏しいですが。
安価でももうちょい深みのあるワイン探して驚かせて欲しい。
お肉ごはんの茶漬け。
味の方はあまり印象なし。正直もうちょっとパンチ欲しいです。
最後に、日本酒。
辛口、甘口とチョイスでき、あえて普段飲まない、甘口をチョイス。ポン酒大好きだから期待してしまったが、これは、美味しくない(笑)。超辛口と書いてあるラベルの方にすればよかったと後悔…あと、個人的に冷酒はワイングラスで飲みたくない。
これでお終いです。感想としては、コースとしては平坦、あまり起伏はなかった印象です。ただ、トリュフは美味しかったです。ロックアルバムで例えるなら、シングルカット(トリュフ)一曲が目立っていて、捨て曲かなりある、みたいな感じ。
親友と店を出て歩きながら「トリュフ死ぬほど、美味かったね。できれば、あのソースでパスタ喰いたかったね」と語り合う。
その後、「ビール飲みたくない?そうだね!」となって、柳橋のYマーケットへ(笑)。タコスと一緒に地ビール飲む(笑)
ここがいい>
高級な食材をふんだんに使った、食材費用対効果に秀でた圧倒的なコストパフォーマンス。それらを、それらの食材には到底不釣り合いの空間と器で出す、逆の意味での料理業界全般に蔓延る、いわゆる着飾ったスノッブなものに対しての強烈なアンチテーゼ。まさに、ランチェスターでいうところの弱者の戦略、ゲリラ戦です。
大将がお客に直接語りかけるので、ワインや食に探究心がある人にとってはたまらないし、勉強になるところ。そのスタイルをとることにより、客との距離感が一気に近くなる。それはランチェスターの接近戦です。ここ名古屋の山猫軒には、個人店が厳しい飲食業界で生き残るためのヒントが隠されているような気がします。
ここが悪い>
料理に合わせるマリアージュ、お酒のチョイス。料理と酒との合致度が低いところ。この料理にはこの酒で、と店主がアプローチする(ハードルを上げる)のであれば、こっちも100%身を委ねる訳だから、もっと答えに説得力が欲しい。例えば、この濃いパンチのあるこの料理にはこの赤しか勝負できない、とか…このくさみにはこの樽臭ハンパないこの白しかありえない、とか…この超薄味のこいつには、水みたいにさらさらなこの純米吟醸しかない、などなど。酒の好みとは別に、なるほど、と頷きたいです。今回のワインチョイスなら、普通のシャルドネとメルロー2人で一本ずつ空けて自分のペースで飲んでもよかったじゃないかと。
グラスチェンジしないところ(泣)グラス変えないのに、銘柄についていくら説明されても?都合、7杯分全部グラス変えたら客10人で70個必要。大変なのは分かります。だったら、ワイン試飲会みたいにバケツとペットボトルの水を用意してもらいたい。
スタッフの動き。けっこうな人数のスタッフが厨房にいました。だったら、前述のカウンター拭いたりも出来る筈。「後ろ、通ります!」と声は出していましたが、本質的なサービスが欲しい
どんな店かわからなかったので、一応、襟付きのシャツは着て行きましたが、着飾ったお客さんは一人もいなかった。みんな思いっきりラフな感じの服装でした。親友同士で行くなら、もっとゆったり食事が出来てお喋りできる店の方がいいし、かといってデートでも使えない。意外と、山猫軒、使い方が難しい店なのかも知れません…
ちょっと、全体的に辛口になっちゃいましたが、ネタになる店であることは間違いありません、興味を持った方なら一度は訪店しましょう!
【食べログ4点超えについて】
グルメサイトの食べログに積極的に投稿している食べログマニア?の方の琴線には思いっきり触れる店だと思います、コンセプト含め。ちょっと思うのですが、例えば、山猫軒と同じ料理をもっと瀟洒な空間で、盛り付けも工夫して、もうちょっといいお皿で提供して、そのとき料金は1.5倍だとしたら…多分4点は超えないと思います。3.25とか…(笑)。食べログに評価されやすい店のスタイルや形態ってのは確実に存在しますね。これからは食べログマニアに評価されやすいコンセプトの店を専門にプロデュースするコンサルが出てきたりして…
モネの評価 総合30点
6★★★★★★☆☆☆☆ 料理・味
コンソメスープ>5
手羽先>6
チーズ>9
トマト煮込みパスタ>2
トリュフ目玉焼き>9
豆腐肉乗せ>5
肉ごはん>4
足して、7で割って5.7。四捨五入で6点。
4★★★★ サービス
2★★ 雰囲気
8★★★★★★★★ コストパフォーマンス
3★★★ 酒・ドリンク
2★★ 清潔度
5★★★★★ 独創性・素材
独創性>2
素材>8
足して、2で割って5。
山猫軒(やまねこけん)
名古屋市中村区丸の内1-5-17 渋谷ビル 2F
TEL 090-6574-1242
営業時間 18:00~
定休日 日月
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