酒場でブロガーを見た!

sakaba_column_03

インターネット、便利ですね。多種多様な情報をゲットできます。特に、飲食店の下調べに活用されている方、多いのではないでしょうか。僕も気になるお店の情報が欲しくて検索したりしています。

呑み屋なんかを調べたりしていると、色々な個人ブログを目にします。ブロガーのみなさんが、多種多様、色々な切り口で飲食店を紹介していて、楽しい!

とある日、ある呑み屋のカウンターで飲んでいると、隣りの席に、いちげんの客が座りました。

その呑み屋は、一部のテーブル席以外は、ほぼ常連、みたいなディープな店だったので、知らない顔がドーン、とカウンターのど真ん中に座ったものだから、常連達はガン見!

僕はその彼をどこかで、見たことある人だな・・・、と

でも、なかなか思い出せない

ちょっと考える・・・

3秒ほどで、思いだす!

顔写真を公開している、ブロガーでした(笑)。

「あ、この人のブログ、見たことある」と僕は心の中で呟いている。

僕は、左隣りの常連さんと、他愛ない話をしているが、この人どんなふうに飲むんやろか?と右隣りのブロガーも気になる(笑)。

ブロガーの彼は、カウンター席でそわそわして下を向いている。

始めての店で落ち着かないのだろうか?僕も始めての店ではそうだ。

次の瞬間、彼はいきなり、パッ、と椅子から立ち上がる。

あまりにも起立が速いので、どうした、どうした、何が起こったんだ、と常連達。

常連達は、みんな彼を見ている。

起立した彼は、キリンみたいに首を長く伸ばし、灯台のライトみたいに180度に首を振って、カウンター上に並べてある大皿料理を眺める。

常連達がみな、会話を止め、店が静かになり、彼に注視する。

彼は大皿料理を1つずつ指差ししながら、呟きだす。

「煮付けー、ふきー、たまごー・・・」(笑)

彼の呟きが静かな店内に、こだまする。

全てのメニューを呟きたかったようだが、カウンター真ん中あたりの料理名を呟いている最中に、店のママから止められる。

「ちょっと、兄ちゃん、落ち着きゃー、座りゃー」

彼は、すいません、と呟いて静かに座る。

その次に彼は、カウンターの下に手をやり、隠れてデジカメをいじり出す。

出された料理をデジカメで撮る時、いちいち、カウンター席、下の荷物置きからデジカメを撮り出すので、椅子を動かす音や、いろいろノイズが鳴って、普通にカウンターに置いたデジカメで撮影するより目立つ(笑)。

彼の右隣りで飲んでいたのは、その店の常連の中でも、一番豪快で、楽しくて、一番口が悪いSさん。

Sさんはブロガーの彼に言う。

「おまえさん、変わってんな。さっきから、何、やってんのよ?自分、ここ、始めて?」

「それ、今オーダーしちゃダメだよ」

「おれがルール教えてやるよ」

「兄ちゃん、あんまり、酒場、知らないな、飲み慣れてねえだろ、いろいろな呑み屋行って勉強しろや」

僕は、心の中で呟く。

「Sさん、彼は、ものすごい数の酒場、飲み歩いてますよ」(笑)と

彼のブログ、彼の書く文章はスタイリッシュ、でも酒場での彼はあまりスタイリッシュとは言えず・・・

その日は、

そういえば、オレもブログやってんな、オレもある意味ブロガーやな、アクセス少ないけど・・・ほっとけ

オレも飲む時、なんか、変な癖ねえかな、オレも、もっと、スマートに、粋に、飲みたいな、とか、

色々、反芻しながら店を出ました。

追記>
酒場でモネを見掛けたら、声を掛けていじってやって下さい。宜しくお願いします。

コメント